第1話|なぜ「ツッコミ」は、こんなにも人生を変えるのか? ──考える力を引き出す医師、Dr.EKO博士のはじまりの話。

7/28/2025

問いのある日常

t f B! P L


セルフ・ツッコミができない人は、整わない。
ツッコミは、思考をほぐし、人生を問い直す静かな起爆剤だった──。

“答え”を出そうとすればするほど、なぜか行き詰まる。
それは、セルフ・ツッコミが不足しているのかもしれません。


「先生、何がしたいか、何をしたらいいのか、わからないんです」
涙が出そうになるのを堪えながら、少し笑って、でも目は真剣で。
そのとき私は、言葉ではなく、空気の変化を感じました。

医学的な治療方針でも、人生の選択でも──
正しいはずの“答え”が、自分の中でまったく響かないことがあります。

私はこの瞬間に、気づきました。

もしかしたら、私たちは「正しい答え」ではなく、
“本当の答え”を探しているのではないか?

私は医師ですが、今はツッコミを教える仕事をしています。
処方箋を出す代わりに、
その人の中に眠っている「考える力」に火をつけるような問いを、そっと差し出します。


他の人から見たら、生活も仕事も異常なし。
健康診断の結果もある程度大丈夫で、薬も要らない。
でも、心のどこかが“スッキリしていない”

私はその人に、何かを診断したり、アドバイスするよりも先に、
ひとつだけ、静かにこう尋ねました。

「ねえ、それやってて、めっちゃ楽しいですか?
あなたにとって、めっちゃオモロイことって、なんですか?」

 

問いは、答えよりも先にある

私たちは、すぐに“答え”を出さなければならない世界に生きています。
仕事、育児、介護、人間関係。
周囲の期待や常識に応えるように、自分を動かし続けてきた女性たちほど、
「もうこれ以上、考えたくない」と思っていても不思議ではありません。

でも、そんなときこそ。
答えではなく、問いを置くことが必要だと私は思うのです。

なぜなら、問いには整える力があるから。

答えを探すのではなく、
ただ自分の中に問いを置いておくだけで、
人は、勝手に“整い始める”のです。


医師なのに、問いしか出さなくなった理由

私はもともと、手術を得意とする整形外科医でした。
スタンフォード大学でスポーツ医学を学び、
患者さんを“治す”ことに誇りを感じていました。

でも、視力の限界が来て、手術をやめる決断をしたとき、
同時に気づいてしまったのです。

本当に人が癒える瞬間って、
治療の途中ではなく、“自分自身の中に気づきが起きたとき”なんだと。

その「気づき」は、誰かからのアドバイスではなく、
その人自身が、自分に投げかけた問いによってしか生まれません。

だから私は、「治すこと」から「問い直すこと」へと軸足を変える決意をしました。


だから私は、問いを“処方”するようになった

私が行っているスラトレ®(Thriveトレーニング®)は、
思考と感性の両方を育てながら、自分を“整えていく”ためのメソッドです。

そこでは診断も、説教もありません。
代わりに、あなたの中にそっと問いを置いていきます

  • 今、何に違和感を覚えている?

  • 本当は、どう在りたかった?

  • 何を「やらなきゃ」で埋めている?

問いには、自分を見失わないための重力があります。
人は、問いがあるだけで軸に戻れる。
問いがあるだけで、静かに目を覚ますことができるのです。


おわりに:答えを出さなくても、ちゃんと進んでいる

高学歴や富裕層と呼ばれるお立場にある方ほど、
“答えを出し続けてきた人生”を送ってこられたのではないでしょうか。しっかりと周りの期待に答えた優等生なのです。でももし今、少ししんどいのなら、

これから先に必要なのは、
“問いとともに生きる余白”かもしれません。

「このままでいいのか?」という違和感も、
それ自体が、すでに尊い問いなのです。

答えは急がなくていい。
問いの中に身を置くことを、自分に許してあげてください。



そしてもし、あなたの中に
「そろそろ、自分を整え直したい」という声が響いてきたとしたら、
それは、人生の新しい季節の合図かもしれません。

私と一緒に、“問いのある日常”を始めてみませんか。



🕊 次回予告

「あんた、何してんの?」は、最強のリセットボタン
自分を笑える視点を持つことで、深刻グセから解放される話
をお贈りいたします