第9話|「“やらなきゃ”が多すぎる」とき、人生はどこかでズレている ──“やるべき”と“やりたい”を見分ける方法

8/14/2025

考える力

t f B! P L


「本当はやりたいことがあるのに、いつも“やらなきゃ”が先に来る」

「1日の終わり、やりたいことに全然たどり着けない」

そんな感覚に心当たりはありませんか?

もし今、あなたの頭の中に“やらなきゃ”が多すぎるなら、
それは人生のどこかが、少しズレ始めているサインかもしれません。



“やるべき”と“やりたい”は、ぜんぜん違う方向を向いている

“やるべき”は、他人や社会からやってくる言葉。
“やりたい”は、自分の内側から湧いてくる声。

このふたつが重なっているとき、人はとても幸せです。
でも、ずれてくると、
「やっているのに満たされない」「こなしているのに疲れる」
という現象が起き始めます。

このギャップに気づけることが、まず大事な第一歩です。



“やるべき”が増えすぎると、人生は重くなる

“やらなきゃ”が多い人ほど、責任感が強くて、まじめ。
期待に応えようと努力してきた人です。

でも、

  • 朝から晩までやることリストに追われている

  • 予定が終わっても気が休まらない

  • 「自分の時間」がない

こんな状態が続くと、人生そのものが重くなります。
心が“自分”に戻れなくなるのです。



“やりたい”に耳を澄ます時間を作る

じゃあ、どうすれば“やりたい”を取り戻せるのか?
まずは、日常のどこかに「やりたいことだけを考える時間」をつくることです。

朝5分でもいい。

  • 今、何がしたい?

  • 今日は何をしたら嬉しい?

  • 自分をちょっと笑顔にできることは?

“やりたい”に耳を澄ませるだけで、
思考の重心が「外」から「内」に戻りはじめます。



「“やりたい”だけで生きられないよ」と思った人へ

そう、そのとおりです。
私たちは責任ある大人として、“やらなきゃ”を手放すわけにはいきません。

でも、“やらなきゃ”の中に、ほんの少し“やりたい”を混ぜ込むだけで、
人生の色は変わっていきます。

例えば:

  • 資料作りを「誰かを笑顔にする表現」に変えてみる

  • 通勤時間に「聴いてみたかった音声」を流してみる

  • 買い物ついでに「季節の花」を一輪買って帰る

“やりたい”は、手の届くところに小さく存在しているのです。



おわりに:人生を変えるのは、ちょっとした“ズレの修正”

“やらなきゃ”に押しつぶされそうな日々でも、
ほんの少し“やりたい”に近づくことができたら、
それはもう、自分にとっての回復です。

大きく変えようとしなくていい。
小さな“やりたい”を見つけ、そこに一歩だけ近づいてみる。

その積み重ねが、
「やらなきゃの人生」から「やりたいの人生」へと、
少しずつ舵を切っていく力になります。



🎯今週の“考える力”の宿題

「今日は、“やらなきゃ”じゃなく、“やりたい”から始めてみる」と決めてみてください。

たとえ5分でも、自分の“やりたい”を優先する時間をつくってみましょう。



▶️次回予告

第10話|なぜ「決めること」は、こんなにも疲れるのか?
──意思決定疲れを減らす3つの視点