「本当は、やさしくしたかったのに……」
後からふと、そう思い出して胸が痛くなることってありませんか?
つい強い口調になったり、そっけない態度を取ってしまったり。
その場では気づけなくても、あとで自己嫌悪に陥ることがある。
私も過去公開だらけの毎日でした。
けれど、それは、“本当の望み”があった証拠だったのです。
反対の言動をしてしまうのは、心の余白がなくなっているとき
人は、余裕がなくなると、自分の本音と真逆の言動をとってしまうことがあります。
本当は:わかってあげたいのに → 守りの言葉で突っぱねる
本当は:大切に思っているのに → 傷つけるような態度になる
なぜ、こんな矛盾が起こるのか。
それは、脳が「守るモード」に入ってしまうからです。
人間の脳は、ストレスや不安が強まると、
「生き残ること」や「攻撃から自分を守ること」に意識が偏ります。
つまり、自分を守ることで精一杯になってしまい、
やさしさを差し出す“余白”がなくなってしまうのです。
やさしくできないとき、人はまず「自分にやさしくする力」が不足している
他人にやさしくできないとき、
「私はダメだ」と自己否定しがちですが、
まず必要なのは、自分自身に対するやさしさです。
あなたの本心は、ちゃんとやさしくありたいと思っていた。
でも、その手前で“自分を守らなきゃいけない”ほど、
心が疲れていたのかもしれません。
だからこそ、反対の言動が出たときには、
それを責めるのではなく、
「自分の心が疲れていたんだ」と気づいてあげてください。
問いは、やさしさを取り戻すスイッチになる
気持ちがすれ違ったあとでも、
こんな問いがあるだけで、人はやさしさを取り戻せます。
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「本当は、どんなふうに接したかった?」
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「今、どんな言葉をかけたら自分がホッとする?」
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「疲れていた自分に、どんなケアができる?」
 
問いは、自己否定の渦から抜け出す道しるべです。
その問いの中に、“やさしくなりたかった自分”が生きているのです。
おわりに:本音は、いつもやさしい
人が「反対の言動」をしてしまうとき、
その奥には、いつも“やさしくありたい”という本音がある。
キツく当たってしまったことに落ち込む日もあるかもしれません。
でも、それはあなたが“ほんとうのやさしさ”を忘れていない証拠です。
だから、責めないで。
心の余白が足りなかっただけ。
まずは、自分の心をやさしく整えてあげましょう。
🎯今週の“考える力”の宿題
最近、誰かに対して「強く言いすぎたかも」と思った場面を思い出してみてください。
そして、こう問いかけてみてください:
「本当は、私はどんなふうに接したかった?」
▶️次回予告
第15話|「がんばってるのに、報われない」──それでも前に進める人が持っている“静かな強さ”