「もっとちゃんとしなきゃ」
「まだ足りてない気がする」
「私なんか、まだまだ…」
そう感じたとき、あなたの中では“理想の自分”が静かに囁いています。
でもその声は、いつも正しいとは限りません。
むしろ、まじめで誠実な人ほど、その声に苦しめられてしまうこともあるのです。
“理想の自分”が、いつの間にか「監視者」になる
本来、「理想の自分」は、人生の方向を照らすコンパスのような存在です。
でもいつの間にか、
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もっとできて当然
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こんなレベルで満足しちゃダメ
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ここで妥協するのは逃げだ
──と、自分を追い詰める“監視者”に変わってしまうことがあります。
それは、理想を目指すこと自体が悪いのではなく、「理想との距離」を測らずに、自分を評価してしまうからなのです。
「ちゃんとした人」になろうとするほど、自由を失う
私たちは気づかぬうちに、
「ちゃんとした社会人」
「ちゃんとした母親」
「ちゃんとした大人」
といった“役割”に自分を押し込めてしまうことがあります。
でも、それは本当に“あなたらしい姿”でしょうか?
「ちゃんと」しようとすればするほど、身動きが取れなくなる。
それが「まじめな人ほど生きづらくなる」理由です。
“ちゃんと”の正体は、「誰かの期待」かもしれない
あなたが思う“ちゃんと”は、もしかすると、
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親から言われてきた言葉
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会社で評価された経験
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周囲の目を気にした態度
──そうした「外からの期待」に由来していませんか?
「私にとっての“ちゃんと”って、なんだろう?」
この問いを置くだけで、少し肩の力が抜けてくるはずです。
「理想の自分」とうまく付き合うコツ
“理想の自分”を否定する必要はありません。
むしろ、その存在を「未来のパートナー」として扱うことが大切です。
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今の私は、ここまでできてるよね
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理想にはまだ遠いけど、それでも成長してる
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ときには休んで、また歩き出せばいい
──そうやって、“理想の自分”と対話することで、苦しみではなく、前向きなエネルギーに変えていけるのです。
おわりに:「ちゃんとしなきゃ」の中に、優しさを
“ちゃんと”の中には、あなたなりの誠実さが込められています。
でもそれは、あなたを責めるためのものではなく、誰かや何かを大切にしたい気持ちの表れだったはず。
だからこそ、その“ちゃんと”を
「自分を追い込むもの」から
「自分と世界をつなぐもの」へと、少しずつ書き換えていきましょう。
🎯今週の“考える力”の宿題
「ちゃんとしなきゃ」と思っていることを1つ挙げてください。それは「誰のため」の“ちゃんと”ですか?
そして、それは「今のあなた」に本当に必要なことですか?
▶️次回予告
第12話|「人の目が気になる」は、“評価のループ”にハマってるサイン──自分らしさを取り戻すための“視点の切り替え方”