この記事のポイント:スラトレ®(メンタル思考トレーニング)のトレーナーは、受講生から「どうしたらいいですか」と聞かれた時、答えを与えません。代わりに返すのは、「どうしたらあなたが楽ですか」という問い——この姿勢に込められた設計思想を、開発者・Dr. EKO博士の言葉でお伝えします。
Q. なぜ、トレーナーは答えを与えないのでしょうか?
スラトレ®のトレーナーが「どうしたらあなたが楽ですか」と問い返すと、多くの受講生は最初、驚かれるといいます。
普通なら「先生、答えを教えてください」と思うところを、質問で返されるのですから。しかしこの問いには、スラトレ®の設計思想が凝縮されています。
開発者のDr. EKO博士(医師・医学博士)が大切にしているのは、「一人ひとり違う」という前提です。
Q. 「一人ひとり違う」とは、どういうことでしょうか?
Dr. EKO博士は、スポーツのたとえで説明します。
ボール投げのような簡単な動作でも、脇を広げた方が投げやすい人もいれば、閉じた方が投げやすい人もいます。ボールを持つときの指の形、肩の使い方——全部、一人ひとり違います。骨格や関節の大きさが違うのですから、当然です。
ところが、多くのトレーニングでは「脇を開けなさい」「こう投げなさい」と、一つの正解を押し付けがちです。そうすると、本当は脇を閉めて投げたい人が無理に開けて投げることになり、ミスマッチが積み重なって、いつしかトレーニング自体をやめてしまう——よくあるパターンです。
Q. メンタルトレーニングでも、同じことが起きているのでしょうか?
まったく同じです、とDr. EKO博士は語ります。
先生が「こうした方がいい」と言っても、受講生がしっくり来なければ、それは違うのです。スラトレ®では、「どうやったらあなたにぴったり来ますか」を一緒に探すこと——それがトレーニングの本質だと位置づけられています。
トレーナーの仕事は、答えを教えることではなく、一緒に探すこと。これがスラトレ®における「トレーナー」という役割の定義です。
Q. 「ぴったり来る」感覚とは、どういうものでしょうか?
Dr. EKO博士は、最近自身がぎっくり腰になった時の経験を例に挙げます。
こたつで寝る時、青いスポンジを腰の裏に入れると楽になる。ところが、スポンジの位置が1センチでもずれると「いやいや、そこじゃない」という違和感が出てくる——ぎっくり腰になったことがある方なら、わかる感覚ではないでしょうか。
メンタルトレーニングでもまったく同じで、「ぴったり来る位置」はわずかなズレで変わります。このわずかなズレを一緒に調整していくのが、トレーナーの仕事なのです。
Q. 「体に落とし込む」とは、具体的に何をするのでしょうか?
Dr. EKO博士は、スラトレ®を理解するうえで「体に落とし込む」という感覚を最も大切にしています。
たとえば、腰を痛めた時に、先に痛み止めを飲んでからこたつで寝る人もいれば、こたつで寝てからそれでもダメなら痛み止めを飲む人もいます。人それぞれ、やり方が違います。
これは好き嫌いの問題ではなく、その人の体と心にとって自然な順番の話です。スラトレ®では、この「自分にとって自然な順番」を見つけることを、一人ひとりと一緒に進めていきます。
答えを持ち帰らない、自分で見つける
「どうしたらあなたが楽ですか」という問い返しは、一見そっけなく感じるかもしれません。しかし、この姿勢こそがスラトレ®の核心です。
トレーナーから答えを受け取り続けているうちは、トレーナーが必要な状態が続きます。しかし自分で答えを見つけられるようになれば、あとは一人で続けられます——最終的に「自分一人でできる」状態を目指す、自立型のトレーニングが目指しているのは、まさにこの地点です。
このシリーズについて
この記事は、2025年2月8日に開催されたスラトレ®_YAEKOFUセミナー「感情の波を医科学で整え、内面的な強さで仕事も人生も思い通りに」を元に、全6回のシリーズとしてお届けしています。
セミナー動画は限定公開のため、一般には公開しておりません。視聴をご希望の方は、以下のメール登録からご案内をお受け取りください。
シリーズ全6回 記事一覧
- 過労で倒れて、友人が一人残らず去った
- ネガティブな感情の波は「避けるべきもの」ではなかった
- スラトレ®が「ブレンドティー」である理由
- 「どうしたらあなたが楽ですか?」(この記事)
- ゴミ屋敷と、心の片付け
- スラトレ®は心理療法ではない
※本記事は情報提供を目的としており、医療行為・心理療法ではありません。個人の感想であり、効果を保証するものではありません。