この記事のポイント:「スタンフォード大学の先生は空気を読まない?」——いえ、むしろ「めちゃくちゃ」読みます。Dr.EKO博士(整形外科医・医学博士)が、渡米直後の"惨敗"体験と、日本人としてデフォルトで持っていた「空気を読む力」が国際チームで武器にも誤読のリスクにもなった話を綴ります。
スタンフォードの先生は、本当に空気を読まない?
「スタンフォードの先生は空気を読まない?」とよく聞かれますが、いえ、むしろ「めちゃくちゃ」読みます。ただ、細かく見ると「読もうとしているけれど、実際にはうまく読めていない」という印象でした。そして、「努力してでも空気を読めるようになりたい」と思っているかというと、そうでもなかったのです。
だから、診療室では——本来なら教授に直接話しかけたいはずなのに、なぜか私の前に列ができました。「EKO、教授に話しかける最高のタイミングがきたら教えてくれ!」「今はいい? ダメ?」——万国共通ですよね。多忙を極め、ピリピリしている上司に話しかけるタイミングを見計らう若手の姿は、日本でもアメリカでも変わりませんでした。
英語力を鍛えて挑んだ、スタンフォードでの惨敗
スポーツ医学界の頂点ともいえる米国スタンフォード大学へ、私が足を踏み入れたのは2016年のことでした。渡米前には、英語の勉強を徹底的に行いました。高校3年生で英検準1級を取得。超和風の自宅で日本のテレビを一切見ず、毎日ニューヨークのラジオを流し、独り言が英語で出るレベルまで鍛える——「これだけやったなら、大丈夫だろう」と。
そう思っていたのですが、それでも惨敗でした。スタンフォードに着いてから約半年間、私はまさに「泣いて暮らした」と言っても過言ではありません。理由は「英語の敬語」が分からなかったからです。敬語が適切に使えなければ、いくら単語や文法が正しくても「礼儀を知らない人」になってしまう。それでも、待ったなしで業務はやってきます。
私に残された武器は「空気を読む力」だった
なんとしてでも、チームに溶け込まなければならない——そんな鬼気迫る状況の中で「私に何ができる?」と自問しました。しかも、今すぐ、「チーム全員が認めるほどレベルの高い技術」で。
そこで出した答えが、日本人としてデフォルトで身につけている「空気を読む力」でした。表情や仕草、話し方の変化を敏感に察知する。「今、話しかけても大丈夫なタイミングかどうか」を瞬時に判断する——これは、日本で生まれ育ち、多少なりとも上司や年上の方に気を遣ってきた人なら、自然と身についている技だと思います。
「空気を読む力」には誤読のリスクがある
ただし、「空気を読む力」には落とし穴もあります。自分のネガティブな思い込みが強い状態で読もうとすると、事実ではなく"自分の不安"を読んでしまうのです。本当は機嫌が悪いわけではないのに「怒っているに違いない」と受け取ってしまう——そんな誤作動が起きやすくなります。
スラトレ®で「正しく空気を読む力」を鍛える
スラトレ®では、「ネガティブ感情に振り回されないデフォルト設定」を身につけるトレーニングを行っています。「空気を読む力」は素晴らしい資質だけれど、ネガティブな状態だと誤作動する。だからこそ、自分の思い込みではなく、事実をフラットに見る視点を育てていく。環境に振り回されず、自分の強みを正しく活かせるようになることを目指しています(個人の感じ方であり、変化を保証するものではありません)。
スタンフォードでの経験を通じて、私は「空気を読む力」が、時には強みになり、時には誤解を生むリスクにもなることを学びました。
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このときの体験を、ユーモアを交えた物語として電子書籍『英語が話せなくても世界人モードでいこう』(Amazon Kindle)にまとめました。言葉の壁にぶつかったときにどう乗り越えたのか、異文化の中で自分の強みをどう活かしたのか、「英語力」だけではない、国際的なチームに溶け込む方法——笑いと勇気、そして「なるほど!」を感じていただける一冊です。
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※本記事は情報提供を目的としており、医療行為・心理療法ではありません。個人の感想であり、効果を保証するものではありません。
最終更新:2026年4月